電食による既存や劣化を防ぐことでモーターの機能性アップにも繋がりました。
カップリングは産業用ロボット等のモーターとセンサーの接続に必要な部品です。
カップリングは駆動軸と従動軸を連結する部品で、主な用途は動力伝達と位置制御の2通りがあります。
大同精密工業では位置制御を目的としたマイクロカップリングを製造しており、産業用ロボット等のモーターとセンサーの接続部に用いられています。当社は1977年に国内で初めてマイクロカップリングの製造・販売をし、長年培ってきた技術力が強みです。
近年では、インバーターモーターの普及とキャリア周波数の高速化が進み、モーターから漏れた電流による軸受の電食が課題になっていました。電食により軸受の腐食・劣化スピードが早くなり、芯出しがブレてしまうだけでなく、減速機や検出器にも影響を及ぼします。
ある企業では、電食を防ぐためゴム素材を使用したタイヤカップリングを導入していましたが、ゴムが硬すぎて検出器軸が折れたり、中心出しができずに軸受が破損するなどのケースが多発しました。
絶縁マイクロカップリングに導入により製品の延命に貢献
当社は、製紙機械の駆動部に多くの納入実績を持つ、フォームフレックス絶縁カップリングの技術を応用した、絶縁マイクロカップリングを開発。マイクロカップリングの中間スペーサ部に絶縁材を使用することで、モーターから漏洩する軸電流を遮断しました。漏電による破損や侵食を大幅に軽減し、製品寿命が延びるメンテナンスコストを軽減させただけでなく、電流の漏れを防ぐことで電力を効率よく使えるようになり、モーターの機能も向上しました。
電動化が進む中、絶縁マイクロカップリングの採用実績が伸びており、今後もさまざまな素材の特性を活かして、求める機能性を付与したカップリングの開発に注力します。